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情画
第17章 新芽
部屋に入るタイミングを逸してしまった。
先生は実の気持ちを凄く考えてくれる。
突然沙絵さんを迎え入れた経験からだろうか…
ワタシが訊かれたら、どう答えただろうか。
きっと動揺して何も言えなかっただろう。
コンコン
ノックしてドアを開ける。
「実、絵は描けた?」
「もう少し」
飛行機の部分はほとんど出来ていた。
「上手に出来てるじゃない。」
「まだ少しぺったんこだよ。」
「そう、マドレーヌもぺったんこ、でももう少しよ。」
「じゃあ頑張って描いちゃうね。
せん…あっ…ゆうパパ…
マドレーヌできたてホカホカが美味しいからね。
もう少しで絵はおしまいなんだよ。」
「実、先生って呼んでもいいよ。少しずつでいいからね。」
「う、うん…ママ〜先生がパパの代わりになって、ゆうパパになったの。」
「え?」
「うーん、先生のこと、今日から、ゆうパパって呼ぶことになったの。」
「あら、いいわね。パパが増えたのね?」
「そうだよ。パパ二人。」
「いいわね〜。ママもゆうパパって呼んでいいかしら?」
「いいよ。ゆうパパいいよね?」
「ママのパパじゃ、おじいちゃんみたいだけど、いいよ。」
先生は少し複雑なようだった。