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第17章 新芽

うわぁあああん…

実が大声で泣く。

｢ごめんなさい。実、ごめんね。｣

｢僕のおうちがぁぁぁ…｣

｢実、許してくれとは言わない。
でも、実のおうちは、家族は、ここなんだよ。｣

｢うぇ〜ん…パパは、パパはどうなっちゃうの？｣


｢実、ママの赤ちゃんのことがパパに知られた時に、パパはワタシと結婚していることをやめる、あの家も売ってしまうと、決めてしまったの。

パパが出張したって言った朝早く、ママも知らないうちに、パパは出ていってしまったの。

急なことで、実になんて言っていいかわからず、嘘をついてごめんなさい。｣


｢パパはどこ？｣

｢おばあちゃんのおうちか、他に住んでるか、ママもわからないの。｣

｢パパに会える？パパとママが結婚やめたら、パパは僕のパパじゃなくなっちゃうの？｣

｢パパにはかわりないよ。ただね。実、お腹の赤ちゃんだけでなく、実も、僕とママの子供なんだ。
だからパパが会ってくれるか、わからない。

実、すまない、実は僕の子供、実の本当のお父さんは僕なんだよ。｣

｢うわぁあああん…わかんないよ…ゆうパパがパパとか、パパが会ってくれないとか…

いっぱいわからないことばかり言わないでよ…うわぁあああん…｣