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情画
第17章 新芽
「ごめんなさい、実。」
「おうちがなくなっちゃう〜」
「実、忘れ物ないかな…あのおうちに」
「ないよ…そんなことじゃなくて
あそこは僕のおうちだったのに…」
実の気持ちを考えたら、嘘をついていたほうが良かったのかと迷う。
でもいつまでも騙しているわけにいかないのだ。
「僕、自分の部屋にいく。ママもゆうパパも来ないで…」
泣きながら実は言い捨てて出ていってしまった。
「すみません。実のこと守ってやれずに…」
「先生、ワタシが嘘をついていたから、こじらせてしまって…」
全員が当事者、実の側に立てる人は居なかった。
「どうしましょう。」
「少し一人にしておいたらいいかも、おやつ作ったら声を掛けてみましょう。」
先生と一緒にクッキーを焼くことにした。
実を呼ぼうとしたら先生に止められる。
どのみち実はワタシ達に頼るしかない、少し一人で居させたほうが良いと…
クッキーの焼ける甘い匂いがたちこめる。
普段なら匂いを嗅ぎ付けて飛んでくるはずなのに…
「僕が見てきますよ。」
先生がすぐに戻ってくる。呼ばれて静かに実の部屋に入ると、実はベッドにうつ伏せで寝ていた。
スケッチブックには、家の絵と主人の絵が書かれていた。
「おうちがなくなっちゃう〜」
「実、忘れ物ないかな…あのおうちに」
「ないよ…そんなことじゃなくて
あそこは僕のおうちだったのに…」
実の気持ちを考えたら、嘘をついていたほうが良かったのかと迷う。
でもいつまでも騙しているわけにいかないのだ。
「僕、自分の部屋にいく。ママもゆうパパも来ないで…」
泣きながら実は言い捨てて出ていってしまった。
「すみません。実のこと守ってやれずに…」
「先生、ワタシが嘘をついていたから、こじらせてしまって…」
全員が当事者、実の側に立てる人は居なかった。
「どうしましょう。」
「少し一人にしておいたらいいかも、おやつ作ったら声を掛けてみましょう。」
先生と一緒にクッキーを焼くことにした。
実を呼ぼうとしたら先生に止められる。
どのみち実はワタシ達に頼るしかない、少し一人で居させたほうが良いと…
クッキーの焼ける甘い匂いがたちこめる。
普段なら匂いを嗅ぎ付けて飛んでくるはずなのに…
「僕が見てきますよ。」
先生がすぐに戻ってくる。呼ばれて静かに実の部屋に入ると、実はベッドにうつ伏せで寝ていた。
スケッチブックには、家の絵と主人の絵が書かれていた。