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情画
第17章 新芽
ああ、やっぱりこの時間が好き、
絵を描くのも、日常生活も、直接体を重ねることも、好きだけど、

全身を見られ、筆で愛されていると実感し、言葉の代わりに見てもらうことで、その愛を返す。

触れられない咎めの中で互いに高まり、想いを焦がす。

それが絵に変換され形になり永遠の時を刻む。

この欲満ち溢れる時間が好きだ。


コトリ…

筆が置かれた。

「先生?」

「今日はここまでにしましょう。絵を描いた肌の部分は仕上がりましたから…」

先生は絵に紙を被せられた。ああ、また描き上がるまで見せてもらえないんだ。

この想いを絶さず次回まで燃え続けさせられるのだ。

「体調を考えたら無理をさせましたから。

もう一度近くで蝶と芍薬を見せてください。」

先生の言葉に体が弾かれるように動き、歩を進めた。

「まず、蝶を見せて。」

先生に背中を向ける。

ひゃあぁん…


蝶の周りを辿るように指でなぞられる。

「もう、反応していたんですね。」

蝶のいない柔らかそうな尻肉を両手で優しく包み上げ、その頬っぺたに口づけする。

ああぅ…

「僕たちにとって絵を描くことは媚薬だ。

貴女もこんなに反応して、」
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