この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
情画
第17章 新芽
八年前のワタシの絵のカーテンが開かれる。
「二枚目の芍薬のポーズを鏡に向かって、つまり鏡に背を向けて取ってください。」
そう言って着物の袖だけが通された。
「はい…」
着物の襟を腰まで落とし、鏡に向かって後ろを少し向く。視線は右手に落とした。
「いいですね。」
先生はワタシの前にテーブルを持ってきた。
ワタシは手を見ているので、先生は見えないが、先生はワタシが着物を開いて、全てを晒すワタシと、
鏡に映る背面まで見えているのだ。
そう思うと一気に体が熱くなる。見えないはずの先生の視線を身体中に感じた。
「貴女に芍薬と蝶を施しましたが、その貴女を絵に留めたい。」
「はい…」
返事をしながらも、先生に見られていることを意識した。
「でも辛くなる前に言ってくださいね。」
「はい…」
こうして燻り出すような愛撫の時が始まったのだ。
スーっと筆の音が聞こえる。あぁ…ワタシの好きな音。絵になることで先生がワタシを愛してくれる時間が始まった。
前を向けば先生も作品も見える位置にいながら、ワタシは自分の手を眺めていた。
耳をそばだてて、先生の筆がどこを描いているか想像する。
「二枚目の芍薬のポーズを鏡に向かって、つまり鏡に背を向けて取ってください。」
そう言って着物の袖だけが通された。
「はい…」
着物の襟を腰まで落とし、鏡に向かって後ろを少し向く。視線は右手に落とした。
「いいですね。」
先生はワタシの前にテーブルを持ってきた。
ワタシは手を見ているので、先生は見えないが、先生はワタシが着物を開いて、全てを晒すワタシと、
鏡に映る背面まで見えているのだ。
そう思うと一気に体が熱くなる。見えないはずの先生の視線を身体中に感じた。
「貴女に芍薬と蝶を施しましたが、その貴女を絵に留めたい。」
「はい…」
返事をしながらも、先生に見られていることを意識した。
「でも辛くなる前に言ってくださいね。」
「はい…」
こうして燻り出すような愛撫の時が始まったのだ。
スーっと筆の音が聞こえる。あぁ…ワタシの好きな音。絵になることで先生がワタシを愛してくれる時間が始まった。
前を向けば先生も作品も見える位置にいながら、ワタシは自分の手を眺めていた。
耳をそばだてて、先生の筆がどこを描いているか想像する。