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第18章 朝顔でも昼顔でもない花

｢今から鱗や目などを入れていきますからね。｣

は…はい…

返事はしたものの小筆でなぞられて堪えられる自信はなかった。

小筆の先が金色に光るのを見たあと、ワタシは欲に溺れてはっきりとしなくなっていった。

乾いた藍の蛇に鱗を入れていく。
貴女は甘く切なく鳴き続け、身を捩らせて悦んだ。

貴女の体が動いているのに、蛇が命を吹き込まれて蠢いているように見えた。

あぁん…はぁん…

貴女が蛇と交わって艶声をあげる。
僕の欲も膨らみ、痛いほどに着物を押し上げた。

白い蛇のとぐろを巻く辺りに鱗を入れる頃には、貴女の息は荒くなり、いつ達してもおかしくない状態になっていた。

蛇の眼を入れる。狡猾に忍び寄る邪の鋭さが備わった。

｢舌を描けば半分出来上がりです。｣

貴女は返事もなく鏡の蛇をぼんやり眺めていた。

燃えるように赤い絵の具を溶き、藍の蛇の舌を描く。

実には触れないように舌を蠢かせた。

はぁあああん…

貴女の切ない呻き声が響く。それが止まないうちに実を絡めとるように巻き付ける白い蛇の舌を描いた。

んぁあああ…いくっ…

貴女が仰け反ったあとｶﾞｸﾘと項垂れた。

ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬと鎖が揺れて、貴女の快感を伝えてくれた。