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情画
第22章 梅
よいしょ…

「ママ重そうだね〜」

年の瀬、臨月に入ったワタシは立ち上がる度に無意識に掛け声を出すようになっていた。

「本当に1人分なんでしょうか…」

先生が腰とお腹を擦る。

「お医者さんにも、これ以上体重を増やしちゃいけないって言われてしまったの。」

「じゃあママ美味しいもの食べ過ぎないようにだね。」

実は冬休みの間は食べる楽しみの行事が沢山あると喜んでいたばかりだ。


クリスマスには両親がやってくる。

冬休みにさすがに旅行は厳しいので、屋敷で過ごすことになる中で、クリスマスパーティーはかなり楽しみなようだった。




「鶏のお腹、ママのお腹みたいになってる。」

実はソテーした野菜や茸をスプーンで鶏のお腹に詰めながら言う。

「いや、ママの方が大きいだろう。」

先生はワタシのお腹を擦る。

「もう…パパそればっかり
このソースを鶏のお腹に塗っていってね。」

「塗るのは得意だ。」

「僕もやる〜」

二人で刷毛をもって競って塗りだした。

先生と実は父子というよりは兄弟に見えるときがある。

それだけ本気でいつもぶつかっているということかな、と微笑んだ。
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