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情画
第24章 芍薬
ゴールデンウィークに、といってもアメリカには全く関係ないのだが、1学年終えた沙絵さんが帰国するという。

向こうの学校は日本の専門学校に近いもので、日本の高校を卒業した証明を取りにくるというのだ。

ボブとジョンの勧めでアメリカの大学を受験することにしたらしい。

写真の勉強もしつつ大学にいく。かなり大変なことだと思う。

先生は留学の際に同じように勧めたが、

パワーオブアメリカ…

とか訳のわからない実力主義を唱え、頑として聴かなかったらしい。

「男に言われるとこうも違うのか…」

手紙を読んで先生は、肩を落としていた。

言い訳としては、結婚しないでアメリカ人になるためには、資格やらステータスを持つ方がよいと、

例え写真集の人気が、一過性のもので終わっても、アメリカで生きていけるようにとのことだった。

ジョンはもちろん、彫師のボブも医師免許は持っていて、形成医療から転じてタトゥーに魅入られたのだという。

「いざとなったらジョンみたいにタトゥーに転じてもいいし、人の体に針で絵を描くなんてゾクゾクするわ。

どのみち人の体のこと良く知りたいから医学部を目指すの…」

簡単に言ってのける女王様に先生は閉口していた。

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