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星と僕たちのあいだに
第6章 猫

快感の芽生えを体内に気づいて、早苗はそっと熱源に手をやった。
早苗の泉は湧き水をたたえていた。
圭司は目覚めそうにない。
そう思ったとたん、泉がとめどなくあふれだした。
大量のアルコールと圭司の寝息は、早苗の発情にお墨つきを与えていたが、早苗は懸命にこらえた。
ひとり遊びをしたところでどうにもならない。
それでも、しぶとい病をわずらったかのように、泉がしくしくと泣いている気がして、早苗は自分のなかの女をかわいそうだと思った。
こんな想いを抱えたまま生きていくことが、それがどれだけ過酷であるかということをわかっているがゆえに、どうあっても圭司への愛情を離そうとしない自分自身にいら立ち、先の見えない不安に襲われてしまう。
いつになったら、この人をあきらめられるのだろう。
気が狂いそうになる……。
いっそ狂人になって、何もかも忘れることができたら楽になれるだろうか。
切ない。
欲しい。
圭司が欲しい。
なんて腹立たしい……。
女にこんな思いをさせて……。
圭司のことが好きでたまらない。圭司のために己を燃やしたい。
それ以外のすべてが見えない。
不明瞭で薄気味の悪い憂うつが、早苗を行くことも退くこともできなくさせていた。
知らず知らず早苗は陰毛をかきわけていた。
じわりと熱源のふたがあき、爪先は早苗をなぐさめるようにふくらんだ突起をなでた。
すぐさま快感が呼びこまれ、早苗の背がぴくりとちぢんだ。
みじかく息を吸いこんだ早苗は、自分をいやらしい女だなと思いながら圭司の寝息を確かめてみた。
寝息はおだやかだった。

