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星と僕たちのあいだに
第4章 幸福の在りか
 
『麻衣ちゃん、
 もう聞いたかもしれないけど、
 気を使われるのが嫌だから、
 俺の口から言う。

 俺と早苗は微妙なんだ。

 でも麻衣ちゃんは
 そんなことに気を使わなくていいからね。
 俺は早苗を待つことに決めたんだ』

自分自身に命を下すような渡瀬の言い方に、早苗が鼻の下を伸ばして少し目を伏せ、そっと額の前髪を払った。
それを見て圭司は、早苗がどこに心の置き場所を求めているのか、わからなくなった。

『圭ちゃんと麻衣ちゃんを祝福するよ。
 だから、乾杯しようよ』

冷蔵庫からワインを出してグラスに注ぐと、『四人の未来に』と渡瀬が音頭をとり、グラスを合わせた。

『麻衣ちゃんのおかげだ』

そう言って渡瀬は笑顔でワインを飲みほし、隣でワインを流しこむ早苗を見やった。
渡瀬の微笑みは、いっそう優しさを増していた。


その夜、機嫌よくピッチをあげた渡瀬は、やはり機嫌よく酔っ払い、早々に自分の小屋へ戻ってダウンした。
圭司も長距離運転と夜通し麻衣を抱いた疲れから、泥のように眠った。
麻衣と早苗は遅くまで昨夜のできごとを語りあい、二人の笑い声と早苗の小屋の灯りは朝方まで消えなかった。







第四章 幸福の在りか
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