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隷従超鋼ヴァギナス [2] 調教編
第5章 勝利とカボチャ
「これまで我々は彼らの兵器を見たことがあっても、それを操る兵士たちの姿を見たことがなかった。それゆえ、敵は正体不明の侵略者だと長らく思い込んできた。宇宙からやって来たとだけしかわからない謎の相手だとね」
天寺がいったん言葉を切って、ユリカに理解の時間を与える。
「だが……もし、すでに敵の兵士は姿を見せていたのだとしたら? 淫機獣や機獣兵を操っている者たち……我々はそれをすでに目撃していたのだとしたら?」
「ま……まさか……」
「気づいたかい? そのまさかだよ」
繋がれたユリカに天寺が近寄る。スキンをつけたその指先につままれた物――
ミャキャアアアアーッ
不気味な叫び声を上げる小さな金属片が身をくねらせ蠢いていた。
「寄生金属。パラサイトメタル……仮にそう呼ぶとしようか。おそらくそれが奴らの正体だ。自ら神経パルスを有機生命体に送り込み操縦する。ヴァギナスとは全く逆の性質を持つ無機生命。これが、あの地層の観察によって得られた《対》となる物質なのだよ!」
「そ、それを……私に近づけないで!」
ユリカはついに、自分がここに繋がれている意味を察した。その推察が当たっていれば自分はこれから……
おぞましさに寒気が走る。
「近づけなければ植えつけられないじゃないか……やはり馬鹿な女だよ、キミは」
「やっ……やめっ……!」
天寺の手が伸びる。
首筋にピタリと金属生物が貼りつけられた。
「ヒイッ」
カチッ
何かのスイッチが入る様な音がした。
「嫌っ……いやああああっ!」
ユリカの悲鳴が実験室の静寂を切り裂いた。
<隷従超鋼ヴァギナス [3] 浸蝕編 へ続く>
天寺がいったん言葉を切って、ユリカに理解の時間を与える。
「だが……もし、すでに敵の兵士は姿を見せていたのだとしたら? 淫機獣や機獣兵を操っている者たち……我々はそれをすでに目撃していたのだとしたら?」
「ま……まさか……」
「気づいたかい? そのまさかだよ」
繋がれたユリカに天寺が近寄る。スキンをつけたその指先につままれた物――
ミャキャアアアアーッ
不気味な叫び声を上げる小さな金属片が身をくねらせ蠢いていた。
「寄生金属。パラサイトメタル……仮にそう呼ぶとしようか。おそらくそれが奴らの正体だ。自ら神経パルスを有機生命体に送り込み操縦する。ヴァギナスとは全く逆の性質を持つ無機生命。これが、あの地層の観察によって得られた《対》となる物質なのだよ!」
「そ、それを……私に近づけないで!」
ユリカはついに、自分がここに繋がれている意味を察した。その推察が当たっていれば自分はこれから……
おぞましさに寒気が走る。
「近づけなければ植えつけられないじゃないか……やはり馬鹿な女だよ、キミは」
「やっ……やめっ……!」
天寺の手が伸びる。
首筋にピタリと金属生物が貼りつけられた。
「ヒイッ」
カチッ
何かのスイッチが入る様な音がした。
「嫌っ……いやああああっ!」
ユリカの悲鳴が実験室の静寂を切り裂いた。
<隷従超鋼ヴァギナス [3] 浸蝕編 へ続く>