この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
母娘
第1章
「お義祖母(ばあ)ちゃん! どうしたんですか?!」
義祖母が俺の手を掴み、引っ張る。
手を引かれるまま、長い縁側の廊下を小走りについて行った。
彼女の部屋の前、引き戸が勢いよく開けられ、中に押し込まれた。
部屋の明かりは点いていた。
八畳ほどの和室だ。
この部屋に入るのも三ヶ月振りだ。
義祖母は後ろ手で部屋の戸を閉めると、俺の頬を両手で押さえた。
「ああ、秀行さん! 待ちきれなかったわ!」
背伸びをし、口を半開きにして、俺の口に押し当ててきた。
顔を左右に振り、舌をねじり込む。
ミントの味がした。
「もうっ……私、鈴子の部屋の前で聴いてたのよ……もう気が狂いそうだったわ……秀行さんたら……鈴子の中に出すんだもの」
とがった口元が鈴子そっくりだった。
しわが多いことを除けば。
「お義祖母ちゃん……」
「いや、おばあちゃんって呼ばないで、鈴江って呼んで」
彼女は、俺の前にひざまずき、今履いたばかりのスエットを引き下げた。
今、悟った。
なぜ、彼女らの婿養子たちが、短命だったのか……。
彼女の口の中に、俺の萎えたものが吸い込まれた。
完
義祖母が俺の手を掴み、引っ張る。
手を引かれるまま、長い縁側の廊下を小走りについて行った。
彼女の部屋の前、引き戸が勢いよく開けられ、中に押し込まれた。
部屋の明かりは点いていた。
八畳ほどの和室だ。
この部屋に入るのも三ヶ月振りだ。
義祖母は後ろ手で部屋の戸を閉めると、俺の頬を両手で押さえた。
「ああ、秀行さん! 待ちきれなかったわ!」
背伸びをし、口を半開きにして、俺の口に押し当ててきた。
顔を左右に振り、舌をねじり込む。
ミントの味がした。
「もうっ……私、鈴子の部屋の前で聴いてたのよ……もう気が狂いそうだったわ……秀行さんたら……鈴子の中に出すんだもの」
とがった口元が鈴子そっくりだった。
しわが多いことを除けば。
「お義祖母ちゃん……」
「いや、おばあちゃんって呼ばないで、鈴江って呼んで」
彼女は、俺の前にひざまずき、今履いたばかりのスエットを引き下げた。
今、悟った。
なぜ、彼女らの婿養子たちが、短命だったのか……。
彼女の口の中に、俺の萎えたものが吸い込まれた。
完