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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第11章 枢機卿の罠
 いまいましげにノエルをにらみながら立番が執務室に入る。

「申し訳ありません。すぐに追い払いますので…………は、いえ。ええ……しかし……。は、はい。かしこまりました」

 立番が顔をだし、すまし顔のノエルに言う。「おい、入れ!」

(来ましたわ……!)

 先ほどまでの剣幕が嘘のように、ノエルは立番に天使の微笑を返すと恭しく入室した。

「執務のお時間をお邪魔いたしまして申し訳ありません、猊下」

 薄暗い執務室で枢機卿が執務机についていた。そのまま目を上げ、ノエルをジロリと眺める。

 ノエルは歩み寄り、礼儀作法通り差し出されたその手の指輪に軽い口づけをした。

 シャピオ・ド=ダンバジャン。息子であるピエルに似て背の高い男だった。しかし、痩せてはいてもまだまだ老いを感じさせぬその姿は精力的に国事にあたる精悍さを漂わせている。

 鋭い眼光、引き締まった表情。整った黒い顎鬚、すべてがある種のカリスマ性を感じさせる。

 これが王国フランツィエを切り盛りする最高権力者の姿だった。

 市民の評判は愚息とは正反対。幼き王を支え、先の戦に疲弊した人々の生活を慮り平和、博愛、平等を説いて王都守護銃士隊や万民平等宣言を考案した篤実の人。

 権謀術数にも長け、既得権益を守ろうとする政敵の罠をことごとく退けてはその辣腕を巧みに振るう。ノエルの目指す理想でもあった。

「申し遅れました、わたくし……」
「銃士ノエル=シューヴルーズだろう。聞こえておったよ、マドモワーゼル(御嬢さん)」と、かすれ笑い声を立てる。

「君の銃士隊入りには父上は随分と反対されていたはずだが……子煩悩な所は見習わねばな。シューヴルーズ侯はお元気かな? 久しくお目にかかっておらぬ……美しい母君にも」

「猊下……」
「兄上は惜しいことだった。だがもうお二人は悲しみからは立ち直られただろうか?」

 枢機卿が意外にも自分や家族ことを知っていたことに驚き、少しの感動を覚える。人の上に立つ者とはかくあるべきか。

「は、はい……父も母も健勝にしております」
「それは重畳……して、至急の用向きとは何かな?」
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