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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第12章 囚われの女獣
 更に、身を起こそうとして両脚もまた同様に完全に感触を失っていることに打ちのめされる。

(な……なんだこれ! ……ま、まさか……)

 振り下ろされる斧。夕焼け空にポンと血しぶきの尾を引いて冗談のように宙を舞う己の腕。圧し掛かる男の巨体、角兜の面頬の奥でギラつく血走った眼球。

「あ……あああああああ……ああっ!」

(あれは……あれは……現実? いや、そんなはずは……)

 思い出した悪夢のような情景。自分は四肢を失ってしまったのか。絶望感がじわじわと押し寄せる。

「がっ……カハッ! ごあっ!」

 夢中で首を振りなんとか口枷を外そうと、目隠しをずらそうと、顔を布団と思われるものに擦りつける。が、固定はしっかりしており全く解放されそうにない。だが、もがいたことで乳房が直に布に当たっていることに気づいた。

(裸なのか……)

 普段から裸に近い露出の多い格好をしているため察知が遅れたのだ。全裸なのかを確認するために腰を強く押し付けてみようとして最後の違和感に気づいた。

 股間に異物が挿入されていた。そしてそこから粘っこい液体がどくどくと胎内へと注入されている。

「ホーホッホッホッホッホ!」

 頭上に響いた甲高い笑い声で一気に記憶が戻った。

 ピエル邸から飛び出した不審な影を追ったこと。地下道での闘いと敗北。そしておぞましいあの儀式! 異常な趣味を持つあの女!

「ひはまっ(貴様っ)!」
「よく眠れたかい? いかがかしら両手両足を失った気分は?」
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