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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第13章 令嬢銃士の処女査定
「君はそこでいっしょに見届けてくれれば良いのだよ、こちらのお嬢さんが今から証明するモノを……すまないね勤務中に」

「はあ……いえ、それは構いませんが」
「……そんな……できません……無理ですわ」
「それはそれで君の自由だよ。何度も言うが、それが価値を決定するということだ。辛いことだが……」

「どうか……どうか、お人払いを……」
「それは出来かねるな。後でうやむやにされぬためにも証人は必要だ。私にも……君にもね」

「う……うぅ……」

 ノエルの手が再びノロノロとパンツのボタンにかかる。

「助言してあげよう。決めた事は口に出して言うことだ。言葉は勇気を与えてくれる。私も過去何度もそうして己の下した過酷な決断を乗り越えてきたのだ」

 ノエルはぎゅっと目を閉じ、ありったけの勇気を奮い起こそうとする。
 しかし口から出たのは蚊の鳴くような震え声だった。

「……わ、わたくし……銃士ノエル=シューヴルーズは……自身に五百フラーナの価値があると証明するため……乙女の……ううぅ……じゅっ……純潔を……枢機卿猊下にお見せいたします。こ……こちらの方がその証人です。ど、どうか……どうか、その眼でとくと……ごっ、ご確認くださいませ……」

 勇気など湧いてはこなかった。ただ恥ずかしさが増しただけだった。そして、そこまで言い終えてようやく最後のボタンが外れた。

 パンツを下げる。純白のショーツが男達の前に曝される。優雅な刺繍の入ったそれは、所々が透けるような意匠の美しい――しかしいやらしい目で見れば、劣情を刺激される淫靡な下着だった。恋人にも見せたことはない。だが、逢うときは必ずつけてしまう。

(今日はお別れに途中までレモンドに送ってもらったから……)

 ノエルは恥ずかしくて死にたかった。
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