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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第2章 カテリナ・ラ=フェール
「捕まえろ!」
「あっちへ行ったぞ!」
「もう許さねえ!」
「噂は本当だったんだ! ああやって年頃の娘を手籠めにしてやがるんだ!」
「法院に突き出せ!」
「裁きを受けさせろ!」
あちらこちらの路地に跨る朝市の通りを、怒れる群衆を従えて逃げ惑うピエルたち、すれ違う通行人や道端に置いてある売り物にぶつかり、蹴倒し、躓き転がり、その度に余計な怒りを買っては追手を増やし……
どこをどう走り回ったのか、ようやくピエルの私邸がある広場に面した通りまで辿り着いたものの、背後には荒れ狂う大河の奔流となった大群衆が飛びかからんばかりの勢いで殺到していた。
「やべえッ! 門を開けてる……ヒマがねえっ!」
「つっ……捕まる……」
怒り狂った群衆の手がピエルの背に届きそうになったそのとき――
「静まれっ!」
大音声が響き渡った。
「王都守護銃士隊である! これは何事か!」
いななく馬の手綱を引いて、住民に問うたのは美貌の銃士隊長カテリナ・ラ=フェールだった。
続いて走ってきた十名ほどの銃士隊の隊士たちがカテリナを護るように取り囲み群衆に対した。
「銃士隊だ!」
「カテリナ様が来て下ったぞ!」
市民が口ぐちに喜びの声を上げる。
市民のカテリナへの信頼と人気は絶大だった。部下たちと共に市内の警ら中だったカテリナが騒ぎに気づいて駆けつけてくれたのだ。これでもう何もかも大丈夫だ。
「カテリナ様! そいつを捕まえて下せえ!」
「こいつら、女に乱暴したんです!」
「あっちへ行ったぞ!」
「もう許さねえ!」
「噂は本当だったんだ! ああやって年頃の娘を手籠めにしてやがるんだ!」
「法院に突き出せ!」
「裁きを受けさせろ!」
あちらこちらの路地に跨る朝市の通りを、怒れる群衆を従えて逃げ惑うピエルたち、すれ違う通行人や道端に置いてある売り物にぶつかり、蹴倒し、躓き転がり、その度に余計な怒りを買っては追手を増やし……
どこをどう走り回ったのか、ようやくピエルの私邸がある広場に面した通りまで辿り着いたものの、背後には荒れ狂う大河の奔流となった大群衆が飛びかからんばかりの勢いで殺到していた。
「やべえッ! 門を開けてる……ヒマがねえっ!」
「つっ……捕まる……」
怒り狂った群衆の手がピエルの背に届きそうになったそのとき――
「静まれっ!」
大音声が響き渡った。
「王都守護銃士隊である! これは何事か!」
いななく馬の手綱を引いて、住民に問うたのは美貌の銃士隊長カテリナ・ラ=フェールだった。
続いて走ってきた十名ほどの銃士隊の隊士たちがカテリナを護るように取り囲み群衆に対した。
「銃士隊だ!」
「カテリナ様が来て下ったぞ!」
市民が口ぐちに喜びの声を上げる。
市民のカテリナへの信頼と人気は絶大だった。部下たちと共に市内の警ら中だったカテリナが騒ぎに気づいて駆けつけてくれたのだ。これでもう何もかも大丈夫だ。
「カテリナ様! そいつを捕まえて下せえ!」
「こいつら、女に乱暴したんです!」