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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第19章 淫らなる裁判
 ぐきゅるるるるっ……ぐるるるる

(言い切るのよ、告発を!)

「み……淫ら……な行為を……きょ、強要していたので……す。今……目にしているこの姿が……何よりのっ……んおっ……おおん……」

 ぶっぶぴゅっ……

 括約筋に力を入れて一瞬漏れ出しそうになったのを必死で堪える。

「おんむ……これを見て何も感じないのか! ううう……目の前で……りょ、凌辱される女の姿にっ……ああっ、誰も憤りを覚えぬ……ほおっ……おおおお……の……か」

 脂汗を垂らして議員席を見渡したカテリナは気づいた。席に座る誰もがニヤニヤと薄汚い好色な期待の色をその顔に浮かべていることに。そもそもこれは公正なる裁きの場などではなかったのだ。仕組まれた見世物の場だったのだ。そしてその生贄は自分自身なのだ。

「お……堕ちたか、議員諸氏よ! 堕ちたか……王国フランツィエ! お、おおおおお……」

 気づくのが遅すぎた。ここ数日でピエルが完全に議員達の籠絡に成功していたことに。そしてこの老いた議員達の醜い色情に。

 今、自分を取り囲むこの醜悪極まりない人々の表情。そんなものに一縷の望みを託していた愚かさ。そしてその胸に誓った平和への希求の儚さ。自分は今まで命を懸けていったい何を守ろうとしてきたのか。

「ああああ……あああああ」

 カテリナの頬を涙が伝い落ちた。

「お……堕ちたりっ! 王国フランツィエ!」
「違うね……堕ちたのはお前だ、肉便女カテリナ……」

 ピエルの囁き声が絶望の淵に立つカテリナの背を押した。

「あ……」
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