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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第6章 ニンナーナ
「何事……?」
ナルシャは唖然として仲間の銃士と思わず顔を見合わせた。二階の出窓からのカテリナのあられもない呼びかけ。喧騒のせいで広場の市民達には明瞭には届かなかったようだが、庭の中の、しかも二階に近い高さの樹の上にいたナルシャにははっきりと内容が聞き取れた。異常事態だ。
考えるまでもない。隊長は罠か何かにかかってピエルに捕まったのだ。
「救出よ! 全員邸内に! ピエルを強制逮捕します!」
そう叫んで樹上から庭へと飛び降りようとしたとき、それはやって来た。
黒い影が二つ、三つ、四つ……次々と飛来し、舞い降りる。
「ぐわっ!」
「ぎゃっ!」
「ぐえっ!」
不意を突かれた銃士達が次々と、ある者は飛来した影に衝突して樹上から突き落とされ、またある者は舞い降りた影から繰り出された素早い攻撃によって倒される。鮮やかな手並みだった。
その影――襲撃者達は黒い装束に身を包んだ一団だった。固定翼機を使って滑空し、上空から壁を越えて侵入してきたのだ。
「……」
ナルシャはこの敵達の正体に思いを巡らせた。
いとも容易く無力化されてしまった銃士隊の他の仲間達。素人に出来ることではない。
そして固定翼機である。翼のように布を張った機構に人が捉まって滑空することができる装置。発明されたのはつい最近のことだと聞く。しかもそれはここ王国フランツィエで発明されたものではなかったはずだ。
シュッ!
ナルシャ目掛けて何かが飛ぶ。樹上にも関わらず巧みに身を躱す。するとそれはナルシャの足元木の枝にクルクルと巻きついた。
鍵爪つきのロープだ。
ナルシャは唖然として仲間の銃士と思わず顔を見合わせた。二階の出窓からのカテリナのあられもない呼びかけ。喧騒のせいで広場の市民達には明瞭には届かなかったようだが、庭の中の、しかも二階に近い高さの樹の上にいたナルシャにははっきりと内容が聞き取れた。異常事態だ。
考えるまでもない。隊長は罠か何かにかかってピエルに捕まったのだ。
「救出よ! 全員邸内に! ピエルを強制逮捕します!」
そう叫んで樹上から庭へと飛び降りようとしたとき、それはやって来た。
黒い影が二つ、三つ、四つ……次々と飛来し、舞い降りる。
「ぐわっ!」
「ぎゃっ!」
「ぐえっ!」
不意を突かれた銃士達が次々と、ある者は飛来した影に衝突して樹上から突き落とされ、またある者は舞い降りた影から繰り出された素早い攻撃によって倒される。鮮やかな手並みだった。
その影――襲撃者達は黒い装束に身を包んだ一団だった。固定翼機を使って滑空し、上空から壁を越えて侵入してきたのだ。
「……」
ナルシャはこの敵達の正体に思いを巡らせた。
いとも容易く無力化されてしまった銃士隊の他の仲間達。素人に出来ることではない。
そして固定翼機である。翼のように布を張った機構に人が捉まって滑空することができる装置。発明されたのはつい最近のことだと聞く。しかもそれはここ王国フランツィエで発明されたものではなかったはずだ。
シュッ!
ナルシャ目掛けて何かが飛ぶ。樹上にも関わらず巧みに身を躱す。するとそれはナルシャの足元木の枝にクルクルと巻きついた。
鍵爪つきのロープだ。