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マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第6章 ニンナーナ
おそらくは襲撃時に部下達が仕留め損なった銃士隊の雑魚共の誰かだろう。それならば、負傷しているとはいえニンナーナにとってものの数ではない。
彼女の任務は屋敷の警備を妨げ、暴徒達が侵入しやすくなるようにすることだった。騒ぎを助長して大暴動にまで発展させればこの国の基盤を揺るがすことができる。それはニンナーナの母国にとって有利に働く。この追跡者が警備についていた銃士隊の者であるというならば、それはそれでニンナーナにとっても好都合だった。
(ここでカタをつけるか……)
肩をかばいつつ追跡者を待ち受ける。角を曲がった所で奇襲をしかける心算だった。しかし、ニンナーナの待つその角の手前でピタリと追手の足音も止まった。
「やれやれ……やっと立ち止まってくれたな……どこまで行くのか思っちまったぜ。狭いトコは苦手でね。助かったよ」
女の声だった。
そしてどうやら待ち伏せはさせてもらえないらしい。
「フ……閉所恐怖症かい?」
それでも軽口で応じて見せたニンナーナだったが、曲がり角の向こうからぬう、と眼前に姿を現した女の巨躯には度肝をぬかれた。
地下道の天井にまで届こうかという高さからニンナーナを睥睨する赤い蓬髪の大女。
「銃士カーラ=ボニファス、見参! おっと、お前は何も言わんでいいぜ……あたしが聞きたいことは後でゆっくりと聞く。そしてあたしが聞きたくないことは……口にしねえほうが身のためだ」
「フ……冗談のようなデカブツだな、お前、本当に女なのか?」
「フフ……。そーゆーことは口にしねえほうが……」
カーラの笑顔が歪む。
「身のためだっつったろうが!」
彼女の任務は屋敷の警備を妨げ、暴徒達が侵入しやすくなるようにすることだった。騒ぎを助長して大暴動にまで発展させればこの国の基盤を揺るがすことができる。それはニンナーナの母国にとって有利に働く。この追跡者が警備についていた銃士隊の者であるというならば、それはそれでニンナーナにとっても好都合だった。
(ここでカタをつけるか……)
肩をかばいつつ追跡者を待ち受ける。角を曲がった所で奇襲をしかける心算だった。しかし、ニンナーナの待つその角の手前でピタリと追手の足音も止まった。
「やれやれ……やっと立ち止まってくれたな……どこまで行くのか思っちまったぜ。狭いトコは苦手でね。助かったよ」
女の声だった。
そしてどうやら待ち伏せはさせてもらえないらしい。
「フ……閉所恐怖症かい?」
それでも軽口で応じて見せたニンナーナだったが、曲がり角の向こうからぬう、と眼前に姿を現した女の巨躯には度肝をぬかれた。
地下道の天井にまで届こうかという高さからニンナーナを睥睨する赤い蓬髪の大女。
「銃士カーラ=ボニファス、見参! おっと、お前は何も言わんでいいぜ……あたしが聞きたいことは後でゆっくりと聞く。そしてあたしが聞きたくないことは……口にしねえほうが身のためだ」
「フ……冗談のようなデカブツだな、お前、本当に女なのか?」
「フフ……。そーゆーことは口にしねえほうが……」
カーラの笑顔が歪む。
「身のためだっつったろうが!」