この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
マスケッティア・オブリージュ ~凌辱の四美銃士~
第7章 ナルシャ・ブランシェ
――おうちが……
哀しさが込み上げ、自分の目からも大粒の涙が零れるのがわかった。
それは哀しすぎる景色だった。
――むらがぜんぶ……やけて……
――おとうさんも……おかあさんも……おとうとも、いもうとたちも……
――ああ……ああああ……
胸を押し潰す絶望。自分の心はこれに耐えられない。そうわかった。もう弾けて消し飛んでしまう。
――だいじょうぶ……だいじょうぶよ!
光の少女が抱きとめてくれた。
ぎゅうっと幼いその力のありったけを込めて抱き締める腕の温もりが狂気の彼方へと吹き飛びそうだった自分の心を繋ぎ留め、引き戻す。
――だいじょうぶだから! わたしが……おっきくなったら……もうこんなことはぜったいおこさせないから!
――だから……
――なかないで。
――なかなくてもいいの……
――泣かないで、ナルシャ。
少女の姿が大人の姿へと変わる。
気づけば自分も少女と同じように大人になっていた。
そうだ……自分は銃士隊に入ったのだ。
――ナルシャ……この本を読んだことはある?
――隊長……いえ……字を読むのはあまり得意ではなくて。
そうだ、あの少女は隊長だ。ナルシャは思い出した。ナルシャを抱きしめ正気を繋ぎ止めてくれた幼き日の隊長の姿の白昼夢だったのだ。
――本は読むべきよ。知識は平和な世の中を創るために必要なもの。
――はい……しかし子供の頃少ししか習ったことがなくて。
――確かにいきなり難しい本を読む前に少し勉強をしたほうが良さそうね。家庭教師を探してあげるわ。カーラと一緒に読み書きの特訓ね。
再び景色が変わる。
哀しさが込み上げ、自分の目からも大粒の涙が零れるのがわかった。
それは哀しすぎる景色だった。
――むらがぜんぶ……やけて……
――おとうさんも……おかあさんも……おとうとも、いもうとたちも……
――ああ……ああああ……
胸を押し潰す絶望。自分の心はこれに耐えられない。そうわかった。もう弾けて消し飛んでしまう。
――だいじょうぶ……だいじょうぶよ!
光の少女が抱きとめてくれた。
ぎゅうっと幼いその力のありったけを込めて抱き締める腕の温もりが狂気の彼方へと吹き飛びそうだった自分の心を繋ぎ留め、引き戻す。
――だいじょうぶだから! わたしが……おっきくなったら……もうこんなことはぜったいおこさせないから!
――だから……
――なかないで。
――なかなくてもいいの……
――泣かないで、ナルシャ。
少女の姿が大人の姿へと変わる。
気づけば自分も少女と同じように大人になっていた。
そうだ……自分は銃士隊に入ったのだ。
――ナルシャ……この本を読んだことはある?
――隊長……いえ……字を読むのはあまり得意ではなくて。
そうだ、あの少女は隊長だ。ナルシャは思い出した。ナルシャを抱きしめ正気を繋ぎ止めてくれた幼き日の隊長の姿の白昼夢だったのだ。
――本は読むべきよ。知識は平和な世の中を創るために必要なもの。
――はい……しかし子供の頃少ししか習ったことがなくて。
――確かにいきなり難しい本を読む前に少し勉強をしたほうが良さそうね。家庭教師を探してあげるわ。カーラと一緒に読み書きの特訓ね。
再び景色が変わる。