パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第3章 ８年めの片思い

─── 加賀谷 遼（かがや りょう）


歳は私よりも２つ上の、28歳。

同じ美大・デザイン学科を卒業しているけど

私と違って、彼は歴とした入社７年目になる正社員。

企画部の中では、断トツで異彩を放つ存在であり

この業界では名の知れた、若手の一流デザイナーだ。


うちの会社は海外と取引をしていて、ヨーロッパの輸入商品の販売が主流だけど

オリジナルデザインも手掛けていて、遼くんは数多くのヒット商品を生み出している。


常識に囚われない感性も、奇抜でハイレベルなセンスも

在学当時から、遼くんは何もかもが飛び抜けていて

ごく一般的で何の取り柄も無い私は

構内の展示会で、初めて遼くんの作品を見た時

全身に鳥肌が立って、自然と涙が溢れる程にまで感動したんだ。


………あれから、７年が経ったことになるけど

あの時の衝撃は、今でも忘れていない。