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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第16章 サヨナラ、春ちゃん
その時
「あれ~!
あの金髪ってユキじゃない?」
少し離れた金網の傍に座り込んだ学生の1人が、手で双眼鏡の形を作って声を上げた。
一緒に居るのは蓮見さん?……って、周りの誰かの言葉も聞こえてくる。
……あれは、空デの子達だ。
「あーあ。
結局見つかっちゃったね」
「………」
「今日で最後だし、まぁいっか」
ユキは後ろに振り返って、学生達に向けてヒラヒラと手を振ると
再び私を見て、ふっと微笑んだ。
「俺が先に降りてあいつらの相手しとくから、その隙に行きなよ」
「……ユ…」
「義兄さんに、宜しくね」
……ドクドクと心臓が波打つ。
ユキは私の横を通り過ぎて、梯子に足をかけた。
“ サヨナラ、春ちゃん ”
………っ
「……ユキ……!」