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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第17章 約束
「さっき、学生の女の子達が騒いでたわ」
パソコンのマウスをカチッと鳴らして、竹中さんが続ける。
「7号館の屋上で、早乙女くんと春菜ちゃんのツーショットを見たって」
「………」
「春菜ちゃんが泣き顔だったってことまで、ご丁寧に教えてくれたわ」
「……そう」
「今頃、速報として号外でも配られてるんじゃない?」
……だろうね。
屋上にいた連中の相手をしてる時も、ここに戻ってくる間も
一体何人の奴らにインタビューされたことか。
“ 年上泣かせるなんて、お前実は悪い男だったんだな! ”
……こんな短い間に、どれだけ広まったんだよってうんざりするくらい
全然知らない女にまで、笑顔で抱きつかれた。
“ やっぱり蓮見さんは遊びだったんだね! ”
“ 良かったよ~~!
ユキの目が覚めて良かった! ”
「……俺
“ みんなのユキくん ” に戻ったらしいよ」
「………!」
「 “ 春ちゃん専用 ” って自ら宣伝しまくってたのに。
……残念」