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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第17章 約束
デスクのパソコンから視線を外して、竹中さんが怪訝そうに俺を睨んできた。
「その “ 残念 ” って言葉、本心なのかしら?」
「どういう意味?」
「……遊びだったわけじゃ…」
「俺は本気で好きだったよ」
「………!」
さらりと言った俺を見て、彼女は大きく目を見開く。
「期間限定だったけど、ちゃんと告白して付き合った。
春ちゃんは、俺の彼女だったんだよ」
「………」
「……結局フラれたけどね」
噂を聞きつけた奴らは
俺が春ちゃんを捨てたとか、遊びだったとか勝手に盛り上がっていたけど
この体を解剖して、空っぽな心を見せてやりたい。
……マジで、な~んにも残ってない。
「……驚いた」
溜息をつきながら、竹中さんは首を左右に振った。
「春菜ちゃん、あなたと噂が出た頃からすごく笑顔が増えたのよ。
……だけど最近は、ちょっと何かに悩んでる様子に見えて」
「………」
「まさかとは思ったけど、本当に……」
「ねぇ、俺もう大学辞めてもいい?」