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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第17章 約束
大きく伸びをしてから、俺はまた春ちゃんのデスクに頭を乗せた。
「なんですって?」
「だってもう、ここに来る理由が無いし」
「……! 何バカなこと言って…」
「どうせ留年ギリギリでしょ、俺」
体がだるい。
力が全然入らない。
って、入学した時からずっとこんな感じだったけど
春ちゃんと一緒にいるときは、楽し過ぎて忘れてた。
「……呆れた。
失恋したくらいで中退してどうするのよ」
突っ伏す顔を窓の外に向けると、後ろからハァッと溜息が聞こえた。
「これだから最近の学生は。
そんなガラスのハートじゃ、この先の人生やっていけないわよ?」
「うん、自分でもそう思う」
「……え?」
「なんていうか……疲れた。
笑うのも、喋るのも、歩くのも」
「………!」
「……疲れちゃった、何もかも」