この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第18章 涙の告白
「……っ こっち来い」
遼くんは低い声でそう言うと、私の肩をぐっと抱えて
入口の係の人にカードを見せると、展望台のフロアへと入っていった。
迫力の大パノラマに酔いしれる、多くの観光客の後ろを通り過ぎて
1番端にある、柱の裏側に引っ張られる。
「マジで、驚かせんなよ」
ガラス窓に沿って並べられた、2人掛けのスツール。
カップルが立ち上がって、空いたその場所に
私を座らせると、遼くんは大きく息を吐いた。
「鏡見た?」
「……見てない」
「だろうな。
すげーぞ、顔。つーかその目」
「………」
「腫れ過ぎて珍獣みたいになってるぜ」
「~~~!」
「ブサイクなんだけど」
……珍獣!?
ブサイク!?
「~~失礼だよ遼くん!!
女の子に向かって、その例えは無いよ!」
「~~おい、叫ぶな……」
「もっとオブラートに包んだ言い方できないの……」
「静かにしろって!」
「………!」