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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第18章 涙の告白
「もしかしてお前。
助手を辞めたくなくて、イジけてんじゃねぇの?」
「………!」
長い足を前に放りだして、顎を上げた遼くんが私を見下ろしてきた。
「寂しくて、送別されたくねぇんだろ。
それで拗ねて逃げてきたとか?」
「ち、違…っ」
「しょうもねぇガキだな、春菜ちゃん」
「~~違うってば……!」
思わず、遼くんの左腕を軽く拳で叩いたけど
ニヤニヤ笑い続けるから、私はムキになって身を乗り出してしまう。
「もう! 笑ってないで話を聞いて…」
「送別会の飲み屋どこ?
面倒だけど、保護者として送ってってやるよ」
「え!?」
「相変わらず素直じゃねぇな」
「~~だからそうじゃなくて……っ」
ポカポカと叩き続けた私の右手を
遼くんは片手でパシッと受け止めた。
「………!」
手首をきゅっと握られて
その向こう側で、遼くんが苦笑いを浮かべる。
「……痛ぇっつの」
「………っ」
「叫んだり喚いたり、怒ったり
……ほんと、騒がしい奴」