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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第18章 涙の告白
「……遼くん」
……太陽のような笑顔で、彼が背中を押してくれたから
私の心は落ち着いていて、真っ直ぐ遼くんの瞳を見つめることができる。
「私ね、今までずっと隠して生きてきたの」
「………?」
「……想いを言葉にすることは、許されないし
伝えてしまったら、もう傍にいられなくなってしまうから……」
「………」
「嫌われるのが、何よりも怖かった」
……柱の陰に座っている私達の周りには、誰もいないけど
遼くんだけに聞こえるように、私は小さい声続けた。
「……春菜……?」
「ちゃんと、諦めようって何度も思ったんだよ。
迷惑は絶対に掛けちゃダメだって、自分に言い聞かせてたし」
「………!」
「 “ ピチピチの若い学生達 ” や “ 将来有望のいい男 ”
……探そうとしたんだよ」
「………っ」
「何年も同じ事を言わせないように
遼くんに、安心…してもらいたくて……」