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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第18章 涙の告白
……館内を流れている、オルゴールのBGMも
夜景を見つめて寄り添う、恋人達の会話も聞こえなくなって
鼓動だけが、胸に響いているように感じる。
「告白、しようと思ったのは
遼くんの奥さんが亡くなってるから、とか……そうじゃないの」
「………」
「……信じて、もらえないかもしれないけど」
遼くんのことなら、何でも知っている
遼くんの魅力を教えてと言われたら、1日中だって語り続けられる
遼くんを想う気持ちなら、誰にも負けない
……長い間、ずっとそんな風に思ってきた。
私の気持ちを知ってほしい
遼くんの笑顔が、私だけのものになってほしい
私だけを愛してほしい
……毎年桜の木を見る度に、心の底からそう願ってきた。
だけど今、私の心に溢れる想いは
何かと比べたり、誰かと競うのではなくて
彼を求めて、手に入れたいのでもなくて
……私は……