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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第18章 涙の告白
私を見ない遼くんの横顔が、じわりと滲んでよく見えない。
……ダメ、泣いちゃダメ。
ユキが笑ってくれたから、私も泣かない。
「……春菜をここに来させたのは、雪斗だろうけど
本当はそんなことしたくなかったはずだ」
「………」
「俺は、今でもあいつのことを家族だと思ってるから……
分かるんだよ」
……遼くんの手が、少しずつ私に近付いてくる。
「春菜、俺は…」
「答えは、最初から決まっていたの」
「………!」
「……ユキも私も、承知の上だった」
「………っ」
胸が苦しい程締めつけられて
痛いほどに、心臓が鳴り続けている。
でも、私だけじゃない。
私以上に、遼くんはもっと苦しい。