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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第18章 涙の告白
「……他の人の目は、気にしない。
誰に何を言われてもいいの」
「………!」
「だけどそれは……遼くんに迷惑をかけてしまうから
秘密にするって、約束する」
「………」
「私、誰にも言わないよ。 ……絶対に」
遼くんが、大きく目を見開いて顔を上げた。
……本当だよ。
この気持ちに、嘘はひとつもない。
私の、心からの願い。
「……遼くんが、一生桜さんを好きでもいいの」
「………!」
「ううん、それがいいんだよ。
遠い場所に居ても、2人は夫婦なんだもの」
「……春、菜…」
「ただ、私は……」
揺れる瞳を、見つめ返すと
もう、ダメだった。
溢れた涙が、止まらなくなる。
「手を、繋ぎたいの」
「………!」
「ほんの、少しでいいから……遼くんを抱きしめたいの」
「………っ」
「遼くんが、望む時だけでいいから……」