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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第20章 溢れる笑顔
……大学の助手を辞めて、5月から晴れて正社員になった私。
仕事も色々任せてもえらえるようになって、多忙な日々を送っている。
断った男の人からは、恋愛をしてる暇は無さそうだねって言われてるけど……
「……沙月、あの、ね……」
「………」
「えっと……」
……遼くんと、一夜を共にしてから2ヶ月。
週に1~2回、お互いの家を行き来しているけど
沙月にも、宮本さんにも……誰にもこの関係を言っていない。
絶対にバレてはいけないから
会社はもちろん、逢いに行く時には全神経を張り詰めて周りを見ている。
だから、気付かれるはずがないんだけど……
“ 時折、春菜の切ない顔が…… ”
「沙月、私今仕事が…」
「いいよ、春菜」
「………!」
「何も言わなくて、大丈夫」
腕を伸ばした沙月が、ポンポンと私の頭を撫でた。
「事情は分からないけど。
ひとつ言えるのは、私は春菜が大好きってこと」
「………っ」
「今までも、これからも春菜の味方だから。
それだけは覚えておいてね」