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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第20章 溢れる笑顔
……土曜日は、会社が休みだから
遼くんは、お墓参りをする曜日を変えて、回数も減らすと言ってくれた。
だけど、それは遼くんと桜さんにとっての大事な時間だから
私のせいで、2人を離してしまうのはどうしても嫌だった。
……それなのに
やっぱり私は、我儘でダメな人間なんだ。
自分から遼くんの背中を押しておきながら
以前とは比べものにならない程
週末を1人で過ごすのが堪らなく寂しい。
だから、翌日の日曜日は
どこにも出掛けずに、遼くんとずっと一緒に過ごしたくて
彼の胸に顔を埋めたまま、離れることができない。
……遼くんが、困った表情をしているのを知りながら……
「……春菜」
優しく呼ばれて、ゆっくり目を開けた。
アイスラテをベンチの上に置くと、沙月が私の手をきゅっと握る。
「ねぇ、明日の土曜日空いてる?」
「……えっ?」
「私とデートしない?
昼間から飲んでもいいし、買い物しまくってもいいし」
「………!」
「女同士、楽しいことしようよ♪」