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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第20章 溢れる笑顔
ピンクベージュのグロスをキラッと光らせて、沙月が笑った。
……私を元気付ける為に、沙月はいつもこうして私を誘ってくれる。
ドロドロしていた暗い気持ちが、和らいでいく。
「……ありがとう、沙月」
両手を握り返して、私もにっこり微笑む。
「すごく行きたいんだけど、明日はちょっと予定があって」
「そっか~、残念。
じゃあ今夜は?仕事が終わったら軽く飲まない?」
「うん、いいよ。
っていうか、今日も明日も……宮本さんはいいの?」
「いいのいいの!」
離した手をひらひらと振ってから、再びアイスラテを飲む沙月。
「今夜は接待とか言ってたし、明日の土曜は別の用事があるらしくてさ。
1日会えないって言われてるんだ」
「そうなんだ、宮本さん忙しいのね」
「あ、でもだから明日誘ったわけじゃないよ?
今の私は、仕事よりも彼氏よりも春菜が優先!」
「……ふふっ♪ ありがとう」
……もう一度顔を見合わせて、私と沙月は同時に微笑んだ。