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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第20章 溢れる笑顔
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……そして、翌日の土曜日。
太陽がジリジリと照りつける今日は、真夏日で
白い麦わら帽子をかぶり直して、私は1人、駅の改札を降りた。
「……わぁ、すごい人だぁ……」
電車の中も混んでいたけど、改めて人の多さに面食らう。
子供達の夏休みはもう少し先のはずだけど
3ヶ月前に来た時よりも、駅前の広場は明らかに多くの人で賑わっていた。
「………」
神奈川県南部、湘南エリア。
相模湾へと突き出た陸繋島は、江ノ島と呼ばれる有名な観光地で
海に沿った浜辺には、沢山の飲食店やレジャースポットが点在している。
……その、並びのひとつには
まだ少し肌寒かった4月の中旬
彼と訪れた水族館がある。
「……遼くん、なんでまたここを……」
待ち合わせの午後1時まで、あと10分。
私は深く溜息をついて、指定された橋の入口へと歩き始めた。