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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第20章 溢れる笑顔
「し、仕方ないなぁ」
なんて大袈裟に肩をすくめてみたけど、実際はかなり胸が高鳴ってる。
……お互い、あの時の辛さや気まずさがあるはずなのに
悲しさを微塵も感じさせない空気を、ユキが作り出してくれているから
……好きだったなんて言われて、尋常じゃない程ドキドキしてる。
あぁ、私ってほんと単純……
「……はい、これでいい?」
ビーズのブレスレットを壊さないように、下の方で緩く束ねた。
……あ、なんかスッキリ。
最近はずっと下ろしていたから、頬に触れる海風が気持ちいい。
「……ユ、キ?」
「………」
「…あの……」
何も言わずに私をじっと見つめてくるユキ。
少し不安になって、その瞳を見つめ返すと……
「うん、やっぱり可愛い」
「………!」
「超可愛いです」
~~~!!///
ふいうちの褒め言葉と敬語に、クラッと眩暈がしてしまう。
倒れそうな私に向けて、ユキは優しく微笑んだ。
「今日は思いっきり笑おうね、春ちゃん」