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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第20章 溢れる笑顔
……ハッと我に返った時には
私の右手が、ユキの左腕を後ろから掴んでいた。
歩道の上でお互い無言のまま見つめ合う。
「……は~るちゃん♪」
「………!!///」
顔だけ振り向いた形で私を見下ろすユキが、ニッと口角を上げた。
わ、わわわ私何をして……っ
「あははー “ ダメ ” だって。可愛いなぁ」
「~~ち、違…っ」
「そんな必死で捕まえなくても、ちゃんと断るから大丈夫だよ」
「………っ///」
「てゆーか俺、春ちゃん以外目に入らないし」
……おずおずと手を引いて、汗をダラダラ流しながら1歩後ろへ下がる。
この人は本当に年下で、私は本当に年上なんだろうか。
その笑顔も、ストレートな言葉も
さっきから私の心臓をキュンキュン鳴らす。
「本当は手を繋ぎたいけど、未練っぽいから止めとくね」
「………!」
「それに
そんなことしたら、あの人が突進して引き剥がして来そうだし」
「……??」
「俺ってエライなー」