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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第20章 溢れる笑顔
……考えるのを、私は諦めてしまった。
チケットを買って、スキップしそうな足取りでゲートをぐぐる。
前に来た時と同じで
イケメンオーラを振りまくユキは、周りのお客さん達に大注目されてるけど
負けないくらいキラキラした瞳で、彼の視線は水槽の魚に釘付けだ。
「春ちゃん見て。カクレクマノミ」
「うわ~♡ ちっちゃくて可愛いね」
「親子じゃないかな、こいつら」
「うんうん、きっと親子だよ」
美しい珊瑚に、色とりどりの生き物達。
イミテーションの海でも、みんなのびのびと泳いでいるように見える。
気持ち良さそうだなぁ。
「ペー助達、確かゴマアザラシの隣りだったよね。
春ちゃん、そのマップに…」
「ユキ大変! 2時からイルカのショーだよ!」
「……今何時?」
「2時10分!」
「~~過ぎてるじゃん!」