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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第21章 来世の、来世で
「義兄さんと春ちゃんの関係が広まったら
何も知らない心無い人が、好奇の目で見てくるかもしれない。
義兄さんは有名人だからね」
「……うん」
「だけど、例えそうなったとしても
義兄さんは、全力で春ちゃんを守るよ」
「………!」
「何を犠牲にしても……絶対に」
私の手を、きゅっと握り締めて
ユキは力強い瞳で、私を見つめた。
「義兄さんだけじゃなくて
名誉教授の爺さんも、あの男前な竹中さんもそうだよ」
「………!!」
「空デの連中も、無駄に多い俺の友達も……それだけじゃない。
きっと、春ちゃんを知る全ての人が同じだと思う」
「………っ」
「みんな、春ちゃんの味方だから。
全員で、義兄さんと春ちゃんの幸せを守ってみせるよ」
……太陽のような、ユキの笑顔が
涙で滲んで見えなくなってしまう。
繋がれた手から温もりが伝わってきて
ユキの優しい想いが、心に満ち溢れてくる。
「……ユ、キ……」
「だから、泣かないで」
「………っ」
「大丈夫だよ、春ちゃん。
心配しなくて、大丈夫。
……義兄さんを信じて、傍にいてあげて」