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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第21章 来世の、来世で
……涙が溢れて
ぐちゃぐちゃで何も見えなくなってしまう。
“ 俺のこと、利用すればいいのに
傍にいてくれるなら、どんな関係でもいいんだよ ”
“ お前は、俺に生きる希望をくれてるから
それだけで充分 ”
こんな私を
何の取り柄も無い、臆病な私を
ユキも、遼くんも……必要としてくれる。
「……ユキ……」
……今ユキが伝えてくれた言葉は、真実の想い。
心からそう願っていてくれているって、ちゃんと伝わる。
だけど……
「……ユ、キ。 本当は…?」
「………!」
「本当は、…っ 何て、言おうとしたの……?」
声が震えてしまう。
……彼を追い詰めるつもりは、これっぽっちも無いけど
私は、自分の立場も忘れてユキに一歩近寄った。
「………っ」
……だって
ユキが、泣いている。
心の奥の、見えない場所で
ユキが涙を流している。