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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第21章 来世の、来世で
「……どうし、て、ここに……」
全身が心臓になったみたいに、激しい動悸が続いている。
理解が追いつかない。
「尾行してたんだよ」
俯いたまま、動かないユキを見てから
遼くんはサングラスをTシャツの襟に引っかけて、砂浜の上に腰を下ろした。
「……び、尾行…!?」
「そう。
行きの電車、春菜と同じ車両だったぜ」
「………!!」
「なにお前、マジで気付いてなかったわけ?」
あぐらをかいた足に肘をつけて、その手に顎を乗せた遼くん。
呆気に取られる私を見て、満足そうにニヤニヤ笑っている。
……ま、待って。
同じ車両って……
ってことは、初めから……!?
「ぜ、全然知らな……っていうか、ど、どうして……」
頭がパニックで、上手く話せず言葉が途切れてしまう。
私とは対照的に、遼くんは白い歯を見せた。
「こいつには速攻バレたけど」
「………!」
「ほんの一瞬、駅前で覗いただけだったつーのに
一発で気付かれちまった」
「……えっ!?」
「な、雪斗」