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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第22章 いい女、いい男、もっといい男
“ ごめんね、義兄さん ”
……桜の両親の前でも、俺の前でも
1度も涙を見せなかった雪斗が、初めて口にした真実の想い。
“ 好きなんだ ”
“ 春ちゃんを愛してる ”
想いを告げた雪斗と
雪斗の心の声を聞いた春菜
……2人を見て、ハッキリと分かった。
「確実に言えるのは
春菜と雪斗に言った言葉は、決して偽りじゃない」
これが自分にとっての、正しい答えかは分からねぇけど
俺の心は、こんなにも晴れ渡っている。
「今俺の中に溢れてんのは、全部本当の願いだ。
全っ部開放した」
「………!」
「後悔も、心残りなんてものも
そんなもん、もう一滴も残ってねぇよ」
目を見開く宮本に笑い掛けてから、夜空を見上げた。
……無数に輝く星のように
ずっと暗かった心に、あとからあとから光が満ちてくる。
“ 遼にもいるでしょう?
幸せになってほしいと、誰よりも強く願う大切な人 ”