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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第22章 いい女、いい男、もっといい男

「……好きになった女が、誰か別の男と幸せになってほしいと願うなんて
んなバカげたこと、ありえねぇと思ってた」

「………!」

「だけど春菜のことは……ずっと前から
そんな揺るぎない祈りが、俺の中にあったような気がしてんだよ」



……手に入れたいとか、譲るとか

心残りとか、後悔するとかではない

そんなんじゃない


春菜が笑って、雪斗が笑っていた

2人の笑顔を見て、笑っている俺がいた


……もう一度、未来に向かって

歩き続けようと思える自分がいた



「ただ、嬉しいんだ」


「………!」


「人を好きになれたことが
心から愛しいと思えることが」


「………っ」


「すげー幸せなんだよ」




……正解が何かは、俺達は誰も分からない。

だけど

この答えは、きっと間違ってはいない。




「春菜がいい女だった。

雪斗がいい男だった。

俺は、もっといい男だった」



宮本に向けて、俺はもう一度笑った。



「それだけのことだ」

「………っ」

「最後の一句は
裏付けのねぇ、俺の勝手な自己満だけどな♪」



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