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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第22章 いい女、いい男、もっといい男

「お気持ちは嬉しいのですが。
独身男がカップルと一緒に過ごす程、空しいもんは無くねぇか?」


こいつと綾瀬のデート現場に自分がいる姿を想像して、そう言って失笑すると

宮本はケロッとした顔で、店員から伝票を受け取った。


「だから紹介してやるよ。
女のアテなら腐るほどある」

「宮本の “ お下がり ” だろ?」

「アホ。
清算済みの女をわざわざ呼び戻すかっての」


遊んでいた過去を一掃して改心を遂げた男は、携帯を手に取りイスから立ち上がった。

何やら連絡先を呼び起こしている。


「加賀谷、今夜はうちに来い。
明日日曜の墓参りは俺も一緒に行く」

「あー、そう」

「戻って飲み直すぞ」

「へいへい」

「兄貴の知り合いに、強烈なオネエがいるから。
来れるか聞いてみる」

「………!」



オネエ?

……男?



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