この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第22章 いい女、いい男、もっといい男
「お気持ちは嬉しいのですが。
独身男がカップルと一緒に過ごす程、空しいもんは無くねぇか?」
こいつと綾瀬のデート現場に自分がいる姿を想像して、そう言って失笑すると
宮本はケロッとした顔で、店員から伝票を受け取った。
「だから紹介してやるよ。
女のアテなら腐るほどある」
「宮本の “ お下がり ” だろ?」
「アホ。
清算済みの女をわざわざ呼び戻すかっての」
遊んでいた過去を一掃して改心を遂げた男は、携帯を手に取りイスから立ち上がった。
何やら連絡先を呼び起こしている。
「加賀谷、今夜はうちに来い。
明日日曜の墓参りは俺も一緒に行く」
「あー、そう」
「戻って飲み直すぞ」
「へいへい」
「兄貴の知り合いに、強烈なオネエがいるから。
来れるか聞いてみる」
「………!」
オネエ?
……男?