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退魔風紀 ヨミ ~恥獄の学園~
第2章 「わかったわ……」
「心から謝罪しろお……口先だけなら絶対許さねーからお……」

 詠の心は激しく葛藤した。こんな男に……こんな相手に、いわれなき謝罪をするなど耐えられない。しかし、退魔風紀の本分は、学生を守る事。ヘレンの身にこれ以上危害を加えさせられない。詠は歯を食いしばり、強張った顔で謝罪を口にした。

「ごめんなさい。私はあなたを騙して約束を破ろうとしました。謝ります」
「反省しているのかお?」
「……しているわ」

 ギニーの片眉が跳ね上がる。

「なんだその無愛想な言い方は! 本心ならもっと心を込めた言い方ができるはずお! やっぱし本気じゃないんだお!」

「そ、そんなことないわ!」

「なら言い直せお! 次、気に入らなかったら……コイツを投げ捨ててブチ割るお!」

 ギニーが媚薬の瓶を振りかざす。

「待って! い、言うわ……。ギニーさん。私の態度が間違っていました。あなたとの約束を破ろうとしたり、気に障る言い方をしたことをお詫びいたします……」

「認めるんだな? お前は狡くて卑怯な女だと、お?」

(くっ……)

 悔しい。嘘でもそんなことを認めたくない。しかし、選択の余地はなかった。
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