この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
変身ティーチャー・リョウコ ~学園女子ハンターズの罠~
第1章 学園女子ハンターズ
※ ※ ※
神出鬼没の謎の女教師リョーコ。常勤、非常勤を問わず、リョーコなどという名の教師はこの学園には存在しない。
しかし、悪事を働く生徒がいると、どこからともなく現れて退治する。学園の生徒たちにとって彼女は都市伝説のような存在であり、その正体を知る者はいない。いや、ただ一人――
「三杉沢! どこへ行っていたのかね!」
「す、すいません、先生……」
遅れて音楽室にやって来た三杉沢良子は教師に怒鳴られて口ごもった。
「は、はい。あの……そ、その……間違えて美術室へ行ってしまって……」
「どんくさい奴だなあ、お前は!」
教師の呆れ声に、クラスメートたちが笑う。良子は真っ赤になりながら自分の席へと急いだ。火照った顔の熱さで眼鏡が曇ってしまいそうだ。
(は、恥ずかしい……)
内気な良子にとって皆に注目されるこのようなシチュエーションは大の苦手だった。
《いいじゃん、オイシーじゃん! どーせだったら間違えて給食室行ってました、のほーがウケたんじゃない?》
(もうっ! リョーコさん、他人事みたいに……)
《ニヘヘッ……さっきのお返しよ!》
頭の中で会話する。その相手こそ、女教師リョーコだった。
良子とリョーコ、ふたりはひとつの身体に同居する。元々は赤の他人同士の二人が何故そのような珍妙な事になったのか。きっかけは、半年ほど前の宇宙人によるアブダクションだった。
《コレハ我々ト地球人トノコミュニケーションノタメノ研究ナノデース》
……彼らはそう言っていた。二人の人間の精神をひとつの肉体の中に混在させることのどこがコミュニケーションの研究になるのかは、二人には全くわからなかったが……
《シバラクシタラ研究ノ成果ヲ確カメニ、再ビ戻ッテキマース。ソノトキ、身体ハ元ニ戻シテアゲマース》
兎にも角にも、解放されたときのその言葉を信じて、二人は奇妙な共同生活を始めることになった。
神出鬼没の謎の女教師リョーコ。常勤、非常勤を問わず、リョーコなどという名の教師はこの学園には存在しない。
しかし、悪事を働く生徒がいると、どこからともなく現れて退治する。学園の生徒たちにとって彼女は都市伝説のような存在であり、その正体を知る者はいない。いや、ただ一人――
「三杉沢! どこへ行っていたのかね!」
「す、すいません、先生……」
遅れて音楽室にやって来た三杉沢良子は教師に怒鳴られて口ごもった。
「は、はい。あの……そ、その……間違えて美術室へ行ってしまって……」
「どんくさい奴だなあ、お前は!」
教師の呆れ声に、クラスメートたちが笑う。良子は真っ赤になりながら自分の席へと急いだ。火照った顔の熱さで眼鏡が曇ってしまいそうだ。
(は、恥ずかしい……)
内気な良子にとって皆に注目されるこのようなシチュエーションは大の苦手だった。
《いいじゃん、オイシーじゃん! どーせだったら間違えて給食室行ってました、のほーがウケたんじゃない?》
(もうっ! リョーコさん、他人事みたいに……)
《ニヘヘッ……さっきのお返しよ!》
頭の中で会話する。その相手こそ、女教師リョーコだった。
良子とリョーコ、ふたりはひとつの身体に同居する。元々は赤の他人同士の二人が何故そのような珍妙な事になったのか。きっかけは、半年ほど前の宇宙人によるアブダクションだった。
《コレハ我々ト地球人トノコミュニケーションノタメノ研究ナノデース》
……彼らはそう言っていた。二人の人間の精神をひとつの肉体の中に混在させることのどこがコミュニケーションの研究になるのかは、二人には全くわからなかったが……
《シバラクシタラ研究ノ成果ヲ確カメニ、再ビ戻ッテキマース。ソノトキ、身体ハ元ニ戻シテアゲマース》
兎にも角にも、解放されたときのその言葉を信じて、二人は奇妙な共同生活を始めることになった。