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変身ティーチャー・リョウコ ~学園女子ハンターズの罠~
第1章 学園女子ハンターズ
「ヒャハハハッ! 見ろよコイツ! おっぱい気持ち良すぎてイクんじゃねーか?」

「とんだ淫乱だな!」

 どっと哄笑が上がる――と、そのとき!

「そこまでよ!」

 鋭い声が鞭のようにその場を打った。

 声の主はスーツ姿の若い女だった。女教師だろうか? きりりと引き締まった眉が印象的な美人だ。別館の角から大声で叫ぶや否や、そのまま仮面男子の集団に向かって突進し、タイトスカートからスラリと伸びた脚を一閃、飛び蹴りを喰らわす。

「うぎゃあっ!」
「学園の平和を乱す者は、このリョーコ先生が許さないわよ!」
「げええっ! で、でたっ!」
「でたとは何よ、でたとは!」

 ポニーテールに結わえたセミロングの髪が竜巻のように旋回し、続いて回し蹴りが入る。

 ドガアッ!

 蹴散らされるという言葉の通りに、男子生徒たちが吹き飛ばされ、てんでに地面に転がる。

「に、逃げろっ!」
「逃がすもんですか……待ちなさいッ!」

 我先にと駆け去っていく仮面どもを追いかけようと、リョーコと名乗った美女がスプリントの姿勢をとったとき、彼女の頭の中で声がした。

《リョーコさん、それより生徒会長を……》

「ン……」

 リョーコは両腕で胸を隠して地面にへたり込む少女に目をやる。

「生徒会長なのか、この娘」

《はい。助けてあげてください!》

「チッ……あいつら、次見つけたら絶対に捕まえてやるからな! 人のことお化けみたいに言いやがって……」

《でも、無理ないかも……実際、お化けみたいなものだし。学園の七不思議の中に入ってますよ、リョーコさん》

「コラッ! 良子、お前まで……」

《えへへ、ごめんなさーい! でも、お互い様ですから! それよりリョーコさん生徒会長を早く……怪訝な顔してますよ》

「おっと、いけない」

 声を出しているのはリョーコだけなので、頭の中の声との会話は他の者からは奇怪な独り言のように見える。

「……?」

 酷い凌辱のショックもどこかへ吹き飛んだかのように、あっけにとられている生徒会長に、リョーコは向き直った。

「キミ……大丈夫? あいつらのこと、詳しく聞かせてくれないかな」
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