この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
BLACK WOLF~crime~
第1章 籠ノ鳥
時刻は12:00になりお昼休みを告げるチャイムが鳴った。
作業を一旦終えて社員さんを含め派遣社員さんやパートさんもがお昼ご飯を食べるために一斉に食堂へ向かう。
「相沢さんは今日も手作り弁当?」
食堂へ向かおうとする桜木さんが私に話しかけてくれたが
「今日はコンビニに買い出しに行きます」
「あれ?珍しいね。いつもはお手製のお弁当なのに」
「…寝坊しちゃって作れなかったんです。あはは」
本当言うと、昨日黒埼さんと喧嘩したせいで晩御飯も作らずに眠ってしまった。
いつもは晩御飯を作るついでにお弁当の下ごしらえも済ますのだがそんな気力すら起きなかったのだ。
ここの工場の食堂。
食堂といっても料理をしてくれる人がいるわけでなく、それぞれがお弁当を持参したり宅配弁当を注文してたり様々だ。
私みたいにお昼はコンビニに買い出し…って、人も結構いる。
さすが東京というだけあって工場を出て少し歩けばコンビニもお弁当屋さんも何でも揃ってる。
節約のためにお弁当を作っているが今日は仕方ない。
昨日の夜から何も食べてないし。
工場を出て近くのコンビニまで歩きお昼ご飯を買った。
おにぎりが2つとちょっとしたおかずの入ったお弁当。
「ありがとうございました」
コンビニの店員さんからお釣りを受け取りコンビニを出たが、コンビニのお弁当って何でこんなに高いんだろう。
あーぁ、いつも節約を心がけてるのに。
溜め息交じりに工場までの道のりを歩いていると
「舞?」
「え……?」