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BLACK WOLF~crime~
第8章 雨ノ夜
ドンッ、ドンッ、ドンッ、ドンッ
「誰かーっ!誰かーっ!!桜木さんっ!」
ここに誰かいるとしたら桜木さんしかいない。
丸1日中ここにいるとは限らないけど、もしかしたらまだこの建物に残ってるかも知れない…。
「誰かっ!!桜木さ…」
ドンッ、ドンッ、━━━━━━カチャ
必死に叩き続けた鉄のドアが重々しい音をたてて開いた。
誰かが外からドアを開けてくれたのだ。
「何だよ、うるせぇな…」
それは、私服を着た不機嫌そうな桜木さんだった。
…よかった、いてくれたんだ。
「ハルちゃんが凄い熱を出してるの!何か、薬を…」
「あ?…そのガキか」
桜木さんは横目でベッドに寝転ぶハルちゃんを見た。
ハルちゃんは高熱で意識が混濁してるのか、荒い息を付くだけで桜木さんに罵声を浴びせることもなくぐったりしている。
「お願い…、このままじゃハルちゃんが…っ」
「俺の狙いは相沢さんをここに連れて来て黒埼を誘き出すこと。相沢さんがここにいる今、そのガキは用済みだしな」
…なっ!
まさか、こんな状態のハルちゃんをこのまま放って置く気?
今の桜木さんは殺人犯になることも厭わない。
本気でハルちゃんを…っ。
「そんな…、お願い…、ハルちゃんを…っ」
「知ったことじゃないと言っただろ」
そう言って再びドアを閉めようとする桜木さん。
どうしよう…。
喧嘩しようにも私の力じゃ敵わないし、何より私は腕を拘束されてる。
どうしようも出来ない…。
このままじゃ、本当にハルちゃんが…っ!
ドアが完全に閉まろうとした時だ。
「このまま…、俺が死んだら…っ、お前は殺人犯だな…」
「ハルちゃん…?」
「誰かーっ!誰かーっ!!桜木さんっ!」
ここに誰かいるとしたら桜木さんしかいない。
丸1日中ここにいるとは限らないけど、もしかしたらまだこの建物に残ってるかも知れない…。
「誰かっ!!桜木さ…」
ドンッ、ドンッ、━━━━━━カチャ
必死に叩き続けた鉄のドアが重々しい音をたてて開いた。
誰かが外からドアを開けてくれたのだ。
「何だよ、うるせぇな…」
それは、私服を着た不機嫌そうな桜木さんだった。
…よかった、いてくれたんだ。
「ハルちゃんが凄い熱を出してるの!何か、薬を…」
「あ?…そのガキか」
桜木さんは横目でベッドに寝転ぶハルちゃんを見た。
ハルちゃんは高熱で意識が混濁してるのか、荒い息を付くだけで桜木さんに罵声を浴びせることもなくぐったりしている。
「お願い…、このままじゃハルちゃんが…っ」
「俺の狙いは相沢さんをここに連れて来て黒埼を誘き出すこと。相沢さんがここにいる今、そのガキは用済みだしな」
…なっ!
まさか、こんな状態のハルちゃんをこのまま放って置く気?
今の桜木さんは殺人犯になることも厭わない。
本気でハルちゃんを…っ。
「そんな…、お願い…、ハルちゃんを…っ」
「知ったことじゃないと言っただろ」
そう言って再びドアを閉めようとする桜木さん。
どうしよう…。
喧嘩しようにも私の力じゃ敵わないし、何より私は腕を拘束されてる。
どうしようも出来ない…。
このままじゃ、本当にハルちゃんが…っ!
ドアが完全に閉まろうとした時だ。
「このまま…、俺が死んだら…っ、お前は殺人犯だな…」
「ハルちゃん…?」