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BLACK WOLF~crime~
第1章 籠ノ鳥
「ありがとう。ハルちゃん…」
「あ、いや…」
やばい、泣きそうだ。
黒埼さんはこんな台詞は言ってくれなかった。
つまらないの一言で片付けられてしまった。
忙しいのは仕方ないけど本当はこんなふうに話を聞いて欲しかった。
こんなふうに優しく包み込んで欲しかった。
「…礼なんかより、俺が欲しいのは………」
「え?何か言った?」
「い、いや…別に…っ」
黒埼さんと私は住む世界が違う。
見てる世界が違う。
目線の高さも、見えてる視点も何もかもが違う。
仕方の無いことだとわかってるけど、それがこんなに寂しいことだとは知らなかった。
こんなにも2人の間の溝が深まるものなんだとは思わなかった。
私と黒埼さんって、やっぱり相性が悪いのかな…。
「…あー、ほら!舞ってさ、世話好きだろ?昔は近所のお年寄りや子供の面倒まで見てただろ?」
「え?うん、まぁ…子供が好きだから」
「だったら保育士とか向いてんじゃね?後は介護士とか」
「え…、介護士?保育士?」
「そうっ!今からでも遅くねぇし、復学して資格取るなんてのもアリだろ?」
復…学?
あ、大学に復学ってことか。
そっか、黒埼さんのせいで自主退学させられたってハルちゃんは知らないんだ。
言ったらそれこそどうなるか…。
でも…。
でも、そうだ。
考えても見なかったけど、もう1度勉強して大学受験を受けるのも悪くない。
東京に出てくる前、実家の近くに住んでた近所の子供とよくおままごとをして遊んだりしたし、近所のおばぁちゃんやおじぃちゃんと縁側でお茶を飲んだりもした。
ハルちゃんの言う通り、私には合ってるかも知れない。
「あ、いや…」
やばい、泣きそうだ。
黒埼さんはこんな台詞は言ってくれなかった。
つまらないの一言で片付けられてしまった。
忙しいのは仕方ないけど本当はこんなふうに話を聞いて欲しかった。
こんなふうに優しく包み込んで欲しかった。
「…礼なんかより、俺が欲しいのは………」
「え?何か言った?」
「い、いや…別に…っ」
黒埼さんと私は住む世界が違う。
見てる世界が違う。
目線の高さも、見えてる視点も何もかもが違う。
仕方の無いことだとわかってるけど、それがこんなに寂しいことだとは知らなかった。
こんなにも2人の間の溝が深まるものなんだとは思わなかった。
私と黒埼さんって、やっぱり相性が悪いのかな…。
「…あー、ほら!舞ってさ、世話好きだろ?昔は近所のお年寄りや子供の面倒まで見てただろ?」
「え?うん、まぁ…子供が好きだから」
「だったら保育士とか向いてんじゃね?後は介護士とか」
「え…、介護士?保育士?」
「そうっ!今からでも遅くねぇし、復学して資格取るなんてのもアリだろ?」
復…学?
あ、大学に復学ってことか。
そっか、黒埼さんのせいで自主退学させられたってハルちゃんは知らないんだ。
言ったらそれこそどうなるか…。
でも…。
でも、そうだ。
考えても見なかったけど、もう1度勉強して大学受験を受けるのも悪くない。
東京に出てくる前、実家の近くに住んでた近所の子供とよくおままごとをして遊んだりしたし、近所のおばぁちゃんやおじぃちゃんと縁側でお茶を飲んだりもした。
ハルちゃんの言う通り、私には合ってるかも知れない。